禁忌こわい

こんにちは。国家試験の合格発表から数日が過ぎ、成績表が送られてきた模様です。そして、あくまで噂ですが、今年も禁忌単独落ちみたいですね。数週間後には予備校各社がまとめてくれるかと思いますが、その頃には国試に興味がないかもしれないのでまだ噂の段階ですがお話ししたいと思います。

尚、数週間後に噂がガセだと判明した場合はこの記事は削除して証拠隠滅を図りますのでご了承ください。ここからは噂が本当だとする前提でお話しします。




もはや禁忌単独落ちは幻ではない

以前の記事から度々触れていますが、112回の「禁忌単独落ち」は、合格ライン調整のためだけではないようです。

111回以前は禁忌単独落ちは「幻」とまで言われていました。というのも、禁忌判定される問題は少数なので、禁忌選択肢を4つ選ぶほど間違える人は、そもそも一般・臨床や必修が合格ラインに達しないことが多いからです。しかし112回では、一般・臨床、必修ともに合格ラインに達しているにもかかわらず、禁忌選択肢を4つ選んでしまったが為に不合格となってしまった方が(少数ですが)みられました。112回は3日→2日へ日程変更があった年であり、これを期に変えてきたのかもしれません。

厚生労働省が求めているのは、「現場でいきなり(少しは)使える研修医」、つまり、基礎的な知識があり、現場の雰囲気を知っていて、そして「やらかさない」研修医です。
この「やらかさない」というのが禁忌選択肢を避ける能力であり、これを問うようになってきているのかと思います。




どんな問題が禁忌判定されるのか?

臨床的に禁忌であることと、国家試験で禁忌判定されることとはイコールではありません。極論を言ってしまえば、臨床では正解以外は禁忌とも言えるでしょう。過去の禁忌判定のまとめ等は各社予備校に任せるとして、過去問を解いてきて、また112、113回の傾向を見て、以下のあたりが狙われているように思います。
①救急的禁忌
②病態的に逆の治療
③倫理的禁忌

①は意識不明の呼吸ない人をCTぶちこんだりとか、胆道閉鎖症を経過観察したりとかです。
②は当たり前ですが、逆に言えば病態的に“逆”でなければ、悪化させるような治療でもあまり禁忌判定はされないというのがミソです。
③「倫理的禁忌」は私の造語ですが、1人の判断で勝手に措置入院させるとか、妊婦がロキソニン飲んだからって中絶勧めるとかそういうのです。




ノーマーク戦法

ツイッターでも話題になってましたが、禁忌踏むくらいなら敢えて無回答にするという方法です。実は私も、当日何問かノーマーク戦法を取りました。結果的に点数は少し伸び悩みましたが、禁忌選択肢は0でした。

ここで付け加えておきたいのは、私がノーマーク戦法を取ったのは2日目の一般・臨床、つまりD、Fブロックのみということです。私は当日まで1日目の自己採点はしない予定だったのですが、必修があまりに不安すぎたため我慢できずに自己採点をしてしまい、ついでに一般・臨床も採点しました。その結果、D、Fで50問間違えても合計70%に届くことが分かってたので、少しでも禁忌臭い選択肢は全て回避、という戦法を取ることができました。

また、禁忌判定される問題は全体でだいたい10問前後なので、1ブロックにつきせいぜい3問でしょう。点数に余裕のない場合は各ブロックの中でよりヤバそうな3問のみで実行すると良いと思います。

メンタルのために1日目の答え合わせはやめとけ、という意見の方が多かったように思いますが、禁忌も気を付けなければいけなくなった(かもしれない)今、ノーマーク戦法の安全度を測るために1日目の答え合わせは多数派となるかもしれません。




禁忌を避ける戦術

まず、基本的は禁忌は踏みにいきます。詳しくはmedic mediaのサイトhttps://informa.medilink-study.com/regularpost/14341/#1を見て頂きたいのですが、112回で禁忌単独落ちが出たといってもわずか6人で、“幻”とまでは言わなくともほとんどいないのは事実です。従って、禁忌を気にするべきなのはあくまで点数に余裕のある人のみです。
ただ、国家試験不合格者国試本番のプレッシャーは相当なものです。実際には10問くらいしかないのに、あれもこれも禁忌じゃねぇのって気がしてきます。それを全て避けていたら全然点数が伸びません。点数不足で落ちます。

そして「ノーマーク戦法」や「正解な気がするけど禁忌かも選択肢を避ける戦法」は2日目の一般・臨床=D、Fブロックで実行するのがおすすめです。

あと気を付けなきゃいけないのは「診断間違えて禁忌」「作動薬と遮断薬間違えて禁忌」あたりですが、予備校各社がいい感じで講座を開いてくれると思います。

それともう一つ、1日目の自己採点を最大限生かす方法について。間違える問題が多いほど当然禁忌選択肢を選ぶ可能性も高くなるわけなので、禁忌単独落ちの人は一般・臨床も合格ラインギリギリのことが多いはずです。ということは、2日目の禁忌臭い選択肢を全て避けるのはリスクが高いということです。ここで大事になるのが、手応えと実際の点数の乖離を把握しておくことです。私は模試の時から、各ブロックごとにだいたい何点くらいか見当を付けておくようにしていました。おすすめです。



禁忌の小ネタ

最後に、私が勉強していて禁忌について気になったことをまとめておきます。
・禁忌判定は1年で10問くらい
・QBの「Don't」は国試本番の禁忌判定とは別もの
・「正解以外は禁忌」は今までにない
・「誤っているものはどれか」問題で禁忌はない



以上、よろしくお願いします。