研修医になる前に勉強しておくといいシリーズ

114回受験生の皆さん、大変にお疲れ様でした。卒業旅行行ったり飲みまくったり今が一番楽しい時期だと思いますが、一部の友達が多くない皆様におかれましては、「今のうちに勉強しておこう」というモチベーションが高めな時期かと思います。ぼくもそうでした。

でも教科書買って読むのはめんどくさい。ていうか買った教科書が微妙なやつだったら辛い。何買えばいいかわからん。
そんな皆さんに向けて、半年もすればみんな知ってるけど4月に知ってればデキレジぶれる、そんなざっくりした知識をお伝えします。EBMもクソもない、だいたいそんなもんという知識ですので、正直これをもとに考えると怒られます。だいたいの常識として知っておけば良いです。優秀な学生なら知ってることばっかりかもしれないです。

目次
1.輸液
2.抗菌薬
3.救急


1.輸液
きちんと学ぶなら教科書を読むべし。輸液は先に勉強しておいて損はない分野ランキング1位なので、こんなの読むより教科書買ってちゃんとやるのもありです。

①1日の補液量はだいたい1.5L 体重に合わせて増減
②急性期には細胞外液入れとく→食事取れるようになったら終了、というよくあるパターン
③メインと電解質補正は分ける(投与速度考えるのが大変。特にK)
④血管内留置物は全て感染源となることを忘れずに


2.抗菌薬
研修医として初めの頃に持たされる患者の多くは感染症です。なぜなら超commonで患者数が多く、どの科へ行っても必要で、そして初期治療でだいたい決まるから指導がしやすい。
初期の頃、「じゃあ先生だったら抗菌薬は何使う?」という質問は大学時代の部活の次によく聞かれます。そこで(ざっくりすぎて上級医が見たら怒られそうな)基本のまとめを紹介します。

①抗菌薬は粉薬(生食かブドウ糖に溶いて使うもの)
②培養を提出してから投与
③培養で原因菌同定→感受性判明したらde-escalation
④3日効かなければescalationまたは非感染症を考慮
⑤疾患によって投与期間が決まってる(詳しくは教科書参照)
・肺炎なら1週間
腎盂腎炎なら2週間
・菌血症はGPCかどうかで変わる
⑥超!だいたい
・CTRX→市中肺炎にも尿路感染にも。腎機能無視していいし1日1回でいいので使いやすい。副作用は胆石。
・CMZ→腸内細菌狙い。腸炎系と胆嚢炎・胆管炎に。
・ユナシン(ABPC/SBT)→嫌気性菌もカバーしたいあなたに。
・TAZ/PIPC→緑膿菌もカバーしたいあなたに。
・AMPC/CVA→ユナシンの飲み薬
・MEPM→使うな


3.救急
研修医として(個人的に)一番重要な仕事は当直業務です。正直日中のローテートはクリクラ+α程度で、お客さん状態なことも少なくありません。でも当直中だけは君たちは貴重な戦力です!君たちがファーストタッチをすることで、ICをすることで、オーダーを出すことで、上級医の仕事は減ります。
この主訴がきたら、どんな病歴や身体所見をとって、どんな検査をしたら帰せるのか?を学んでいくことになりますが、根本的な考え方が分からないと何も動けません。

①救急車が来たらまずはABCDE
A気道:声出ればok
B呼吸:呼吸数と呼吸様式、SpO2
C循環:橈骨動脈触れるか、脈拍数
D意識:GCSいくつか
E体温、体表面の異常
ABCDEがOKなら病歴、身体診察へ。ダメなところがあったら介入→Aから再評価。
②既往歴、薬剤、アレルギーは必ず聴取
③帰す時には、
・緊急性がないと判断した理由
・どうなったら再受診が必要か
を「誰に」伝えたのかをカルテに記載。